講演会への参加の仕方


講演会などで、どなたかの話を聞く機会はありますか?
ときに、話し手側となる私から少しだけ提案です。

大勢の中で話を聞くとき、人は集団心理も働いて、自分ひとりの存在は、あまり重要ではない気がするものです。でも実は、そのように受け身で参加するのってもったいないことなんです。

聞き手も、たくさんの言葉を発信することができるのです。なになに??って思った方もいらっしゃるでしょう。こちらの気持ちを伝えることができるんですよ。座って聞いているだけで。

それは、話し手の言葉に反応することです。
挨拶をされても、多くの方は、真顔です。目の前の人であれば、されないであろうお顔の表情・・・と思います。実際目の前ではないので、仕方がないというか当然なのかもしれないですが。でもここで笑顔とか、がんばれよっ的な表情をしてくださる方がいると、ここで確かな気持ちのやりとりが始まります。すぐに気づいてもらえない場合もありますが、話を聞きながらうなずいたり、ほんとだなぁ、という顔。そうかぁ、びっくりした、という顔。それはすべて話し手へのメッセージとなり、早いうちに気付いてもらえます。

聞き手がしっかり反応してくれると、話し手は、あ、この話はみんな興味があるようなのだな、もっと詳しく話してみよう~とか、他の例も紹介しようか、とかなっていきます。

ほかにも重要なメッセージがあります。笑顔やうなづきだけが大事でないのです。ん?なんだその言葉は?難しいぞ・・・と思えば、そのような顔をするのです。首をかしげるのもいいと思います。すると話し手は、そのメッセージを受け取って、様々な方法で、分かりやすく話してくれるのです。

するとどんどん、何も言葉にしていなくても、聞きたい話を聞けることになるのです。ぜひとも積極的な参加をしてほしいのです。

だって・・・話し手は、聞き手がどんな話が聞きたいのか、興味があるのか、その事柄についてどのくらいの情報をご存じなのか・・・わからないのです。そして大抵の話し手は、みんなに喜んで帰ってもらいたいと切に願っているのです。

難しいぞ~っという表情こそ大事なメッセージです。そうかなぁ?と首をかしげてくださるのも、本当に有難いメッセージです。なんとなく聞き手に、ついてきてもらえてないなぁというのは、敏感に感じるものです。話しながら、それがなぜなのか、あれこれと考えながら、探りながら、話さなければならなくなるのです。それはそれで、残念な時間ですよね。みんながよくわからないままの時間が続くのです。

もちろん、まだ話し手に余裕がない場合や、他の話へ持っていけない場合もあると思います。それでも反応は必要です。素晴らしい話が聞けるかもしれないのです。

私におきましては、質問もとてもありがたいです。聞き手のことが一番わかるからです。それに誰だって、疑問が頭をよぎるとその後の話って頭に入って来ないですよね。それはとても残念です。

質問を期に私も話を伝えるポイントがはっきりすることも多いのです。他にも「あぁ、確かに私の今の話し方では、そうとらえることもできるなぁ」と感じることも多々あります。ずっとずっと一緒に教室で話をしている方であっても(お互いがよくわかっていても)質問をしていただき、ありがたいなと感謝しています。質問は批判ではないのです。いえ、批判も、私はとてもとても、とてもとてもありがたいのです。話すべきところがどこなのか何なのか、これほどわかることはありません。

皆様、安心して、積極的に講演会に参加してくださいませ。
話し方教室でもお会いできるのを楽しみにしています!!