朝がくると


「朝がくると」 まど みちお
朝がくると とび起きて
ぼくが作ったものでもない 水道で 顔をあらう
ぼくが作ったものでもない 洋服をきて
ぼくが作ったものでもない ごはんをむしゃむしゃ たべる
それから
ぼくが作ったものでもない 本やノートを
ぼくが作ったものでもない ランドセルにつめて せなかにしょって
さて ぼくが作ったものでもない 靴をはくと
たったか たったか でかけていく
ぼくが作ったものでもない 学校へと
あぁ なんのために いまに おとなになったら
ぼくだって ぼくだって なにかを作ることが
できるように なるために

私が小学校5年生のときに図書室で出会った、まどみちおさんの詩。
どの詩も既成概念を刺激してくれて、目からうろこの落ちるような素敵な作品ばかり。そんな作品の中でもこの詩は、子どもココロに、光が差し込んでくる思いのしたひとつ。

おとなになる・・・それがどういうことなのか。胸のつかえがとれてスッキリし、目指すものがはっきりした。そんな気持ちがした。

あなたは、どんな大人を目指して、どんな大人に今、なっていますか。