人生の後半を考える


先日の話し方教室でのお題は、人生後半の多幸感。私達の幸福感について語るというものでした。

今回のレッスンのお題の元になる人は心理学者エリクソン。発達心理学の古典的な本をたくさん記した人です。とても興味深い、人生のその時々における課題について述べています。私にはそれらが、「大正解!!」と言いたいものばかりです。

さて、エリクソンは、人生のその時々においての課題をしっかり学び、習得することで、次の時代、人生が充実してくる(と言い切ると微妙に雰囲気が変わりますが)と言っています。壮年期から老年期へ、その様々な事柄について、どう思うのか話し合いました。

後半は、自分の人生の総括をすることが課題になります。長い人生、これでよかったのか(人によっては、なんだったのか)そして、この世になにか残せたのか。意味を見だそうとするのです。この課題の取り組みがうまくいかないと苦しい後半が続くのです。

そして幸福論について話し合いました。例えば・・・単純にだんだんと人と比較されることが減る。退職などしたら、面倒に思っていた人付き合いも減って気も楽になるし、なにより他の人と自分との能力や境遇の差を、目の当たりにする機会が減り、マイペースに生きられるようになる。比較されることはなかなかのストレスだものね。

他に・・・引退などによって一時的に社会的な居場所を失っても、時間もできているし精神的なゆとりもできるころなので、趣味の集まりなどで新たな人間関係を作ることができる。

様々な経験をしたことで、現実を受け入れやすくなっていて、自分にあった目標を立てられる。そしてじっくりと向き合うことができるようになる。

それまでに経験した事柄を次の世代に引き継ぐ充実感を味わうことができる。

人生の様々な「終わり」をたくさん見ることで価値観がかわり、目の前の今に、ココロが揺さぶられるようになる。いつまでも健康ではないし、体力があるわけでないし、友達や家族がいるわけでない。そんな経験が私達の意識を変えて、周りの人との絆に改めて感謝したり、季節のうつろいにココロを打たれる。生まれたこと、懸命に生きてきたこと、幸せを感じるようになる。

他にもたくさんあって、紹介しながら、まさに今、その気持ちを味わっているというエピソードや、感じること、など一人一人の貴重な言葉をいただきました。人生の先輩たちの言葉はいつも私を感動させるのです。

あなたも話し方教室にこられませんか。